音読事始め

ハインリヒ・シュリーマンという人物をご存知でしょうか。

 

あまり知られてないかもしれませんが、18か国語を操る語学の達人で、小アジアにある「トロイの遺跡」を発見した人物です。

 

語学の達人と書きましたが、彼はどのようにしていくつもの言語を習得したのでしょうか。

 

端的に言えば、それは「音読」によるものです。

 

ひたすら書物を音読し、一節一節を暗記していたそうです。

 

もちろん、彼はドイツ人であり、ヨーロッパの大陸系の言語は英語と親和性がありますから、その点で、英語を学ぶ日本人からすればハンデがあるかもしれません。

 

しかし、私は確信しています。音読は、語学の学習に必須であると。

より極端な言い方をすれば、音読のない語学学習は、本来の意味で語学を習得するのにつながらないと思います。

 

ここで早とちりしてはいけないのは、英語の文章を声に出して読めばいい、というわけではない、ということです。

漫然とした音読は何の意味もありません。

音読が意味を持つのは、音読の対象となる文章を、意味的に、文法的に、構文的に、構造的に、多層的に理解した後の話になります。

 

すなわち、完璧なまでに構造把握し、意味を理解し、パラグラフリーディングを行い、背景知識まで習得しなければ、音読は意味がないということです。

 

それはなぜかというと、音読をする「過程」で上記の事項を思い出し、その「結果」として英語をその髄まで理解できることになると言えるからです。

 

よって、「音読」そのものは「手段」であって、「目的」ではありません。

 

私は次のような音読の仕方を推奨しています。

・まず、文章の意味、文法事項、論理展開、背景知識をリーディングによって学習する

・そののち、リーディングによって学習した事項を音読しながら思い出す練習をする

・音読は1つの英文につき最低30回は繰り返す

・最低30回をクリアしたのち、メモや書き込みのない英文(私はこれを漢文にならって「英文の白文」と呼んでいます)を読む

・白文を読む中で、上記の事項をすべて思い出せれば、その文章はクリア

 

もちろん、リード&ルックアップなど、多種多様な音読法がありますが、受験生の負担や、ほかの科目との兼ね合い、音源のない英文でもできるような普遍性、などを加味すると、これが最もオーソドックスだと思います。(もちろん、リード&ルックアップやシャドウイングもできればそれに越したことはありません)

 

結論としては、英語学習は音読によるトレーニングである、ということになると私は考えています。

 

もちろん、論理的な文法の理解なども必要ですが、それは前提であって、最も時間を割くべきは音読であるといえると思います。